designing the engagement

重心を決めてから、
コース運営を設計する。

デザインスプリントを中核に、トレーニングと伴走支援を提供しています。ただし、決まった商品はありません。トレーニング寄りか、リリース寄りか。その重心によって、組み立ては大きく変わります。このページには、私が実際にどう設計しているかを、手の内を隠さず書きます。

数日の研修では、
人は変わりません。

自席に戻れば、ほとんどの人はすぐに元に戻ります。学んだことを実行すると、上司や周囲に反発され、止められる。
私がこれまで見てきた実際の割合は、こうです。1回の研修で行動変容が起きそうなのは、10人中3人。そのうち、自発的にやってみて、それを続ける人は、2人くらい。数年前まで、私は10人中1人しか変えられませんでした。
そもそも、人がそう簡単に変わってしまっては困ります。ただ、変化を求めているのに変化しない。それも、現実です。
だから私は、時間の使い方そのものを変えました。

1回を短く、間を空けない。詰め込むのではなく、考えることを日常の一部にしていきます。

the axis

重心が変われば、
デザインスプリントの位置が変わる

デザインスプリントは、いつも同じ場所にあるわけではありません。トレーニング寄りなら到達点に、リリース寄りなら出発点に、案件によっては道具のひとつになります。ここが動くと、事前に何を積むか、誰が部屋にいるか、出口に何を置くかが、すべて変わります。

トレーニング重心人を育てる
中間事業開発を器に学ぶ
リリース重心動くものを出す
人が変わることが目的ものが出ることが目的
as a destination到達点としてのDS

一年かけて土台をつくり、第3四半期にデザインスプリントへ持ち込む。その先は、受講者が場をつくる側に回る。

as a tool道具としてのDS

事業開発を学びの器にする場合、デザインスプリントは数ある手法のひとつ。参加者を観察しながら、必要になったときに出す。

as a starting gun出発点としてのDS

デザインスプリントで方向を決め、そのまま実装へ入る。後半を起動する転換点になる。

before anything

いちばん最初にあるのは、設計

トレーニングが始まる前に、設計の期間があります。1〜3ヶ月。担当者と役員の意見を読み取り、その組織に必要な仕組みをつくる時間です。ここが、私の仕事のいちばん重い部分です。

内訳は二つに分かれます。ひとつは提案活動そのものの時間。もうひとつは、NDAを結んだあとに、社内の詳細を聞く期間です。すでにNDAがあり、私がその組織をある程度学習しているお客様と、まったく新規のお客様とでは、有償期間の設定が変わります。

意思決定者や役員に、どう関わってもらうか。デザインスプリントの最初と最後にGO/NOGOで登場してもらうのか、本体に座ってもらうのか。これも、この設計期間の中で決まります。重心が先に決まって関与が決まることもあれば、誰が出られるかで重心が決まることもあります。どちらもあり得ます。

three real shapes

実際の組み立て

これまでに実施した組み立てを、重心の順に並べます。すべて実例です。お客様は匿名にしています。個別の案件は実績・事例にまとめています。

トレーニング重心

週2時間を、1年以上。
デザインスプリントは、第3四半期に置く。

毎週決まった曜日に2時間。最低1年、延々と繰り返します。四半期ごとに大テーマを置き、第1四半期は関係からはじめる、第2は世界の観方を問い直す、第3で課題を深掘りしてデザインスプリントへ、第4で受講者自身が場をつくる側に回る。当初は3時間でしたが、お客様の都合で90分に縮まり、変化の速度が落ちたため120分に戻しました。週40時間のうち2時間、勤務時間の5%です。毎日Slackに三行日記を書き、ペアで反応し合います。5ヶ月目に、指示していないのに、自発的な事業開発が始まりました。

期間1年以上・継続
頻度週1回・2時間
形式原則オンライン
四半期に一度、対面合宿
DSの位置第3四半期
ゴール内発的な行動変容
と、その連鎖
中間

事業開発を器にして、学ぶ。
デザインスプリントは、道具のひとつ。

週2時間、ただし月3回。祝日は無条件で休み、第4週以降は空けます。持ち回りの技術レクチャー30分、ダイアローグ90分。年内の到達点は「初期のビジネスモデルの完成」で、最後にデモンストレーションを行います。ここでデザインスプリントは主役ではありません。顧客開発モデル、JTBD、ビジネスモデル・キャンバス、リーンスタートアップと並ぶ手法のひとつとして、必要になったときに出します。何を学ぶかは、参加者を観察し、参加者と運営側のダイアローグの中で決めていきます。オンラインが基本で、ダイアローグの体感と成果発表だけを対面に寄せました。

期間8ヶ月〜(更新あり)
頻度週1回・2時間/月3回
形式オンライン+訪問
DSの位置必要に応じて
ゴール初期ビジネスモデル
の完成と発表
リリース重心

13週間フルタイム。
スプリントを3段階、そして実装。

参加者が現業を離れ、所属を変えて専任になる、3ヶ月のブートキャンプ。年に2回まわります。前半でデザイン思考・サービスデザイン・プロダクトマネジメントを積みます。他社との協業で、私は2週間をメインで、それ以外の期間をサブで担当します。そこからスプリントが3段階。プロダクトマネジャーだけのスプリント、プロダクトデザイナーが加わるデザインスプリント、エンジニアも合流するスプリント。その後2週間の実装期間を経て、研修発表会で動くものを見せます。修了者はデジタル変革部門の専任開発者(プロダクトマネジャー)として配属され、実プロダクトを内製します。研修が、そのまま配属と実リリースにつながっています。

期間13〜14週・フルタイム
頻度年2回
チームPM2・PD2・Dev4
上下関係なし
DSの位置後半を起動する
転換点・3段階
ゴール動くソフトウェア
→配属→実リリース
the constant

どの重心でも、変わらない土台

重心がどこにあっても、必ず最初に置くものがあります。ダイアローグと、自己認識のワークです。20年分の教材を8つの領域・45の項目に整理したとき、いちばん底の二層——認知・哲学的基盤と、ダイアローグの実践技術——が、全コースを貫いていることがはっきりしました。ここは、私の仕事の哲学的アイデンティティです。背景にある考え方は哲学・思想に書いています。

ダイアローグとは「意図的な対話」です。報告でも、連絡でも、指示でも、命令でも、指導でもありません。結論や合意を形成する必要もない。主語を「私」にして、相手に関心を持ち、受け止め、違いを確認し、率直に言うべきことを言う。これを連続させます。

ダイアローグは、コミュニケーションのツールではありません。
関係性を作る、ということです。

もうひとつ、変えないものがあります。一度作った運営で固定せず、毎回反復し、運営を修正します。仕組みづくりそのものも、反復しながら前進させます。

how i actually run it

運営の実際

ここからは、ふつう外に出さない部分です。全部書きます。

01

講義3、ワーク7the session

  • 知識の伝達は、PPT2枚分・5〜20分だけ。2時間のうち、レクチャーは最大30分。資料は10枚以下、1枚もない日もあります。残りは、各チームのダイアローグです。
  • チームのダイアローグには入りません。方向性とテーマを投げたら、あとは放任です。最後の全体ダイアローグにだけ、私も参加します。
  • 問いは設定しますが、正解はありません。そもそも、正解のある問いは設定しません。
  • 没入を設計します。他の仕事は持ち込まない。携帯は箱に預ける。根性論ではなく、割り込みを断って思考を連続させるための環境設計です。
  • 時間は伸ばしません。八分で八つ、一マス一分、手を止めない。作業ごとに終わりの時刻を先に切り、その中で必ず終えます。
  • 混沌を、くぐらせます。発散から混乱を経て収束へ。ここを飛ばすと、納得のいく合意になりません。
02

見えないところで、倍以上の時間を使っていますpreparation

  • 提供の形式は、一定ではありません。毎週2時間とはかぎらず、丸一日、半日、隔週、連日など、目的と組織の状況に合わせて組み立てます。準備にかける時間も、その形式に応じて変わります。
  • 例えば毎週行う2時間の回に対して、運営側との調整と振り返り、制作に4時間以上。日記の発言、画面越しの表情、発言の内容を観察し続け、一人ひとりの自己認識の状態、感情の変化、自己開示の度合い、人間関係への介入のしかたを分析します。
  • 講師が2名なら、8時間程度。1名だと小さなテーマしか扱えません。2名で長時間話すことで、感情・シェアドリーダーシップ・事業開発といった複数のテーマを組み合わせられるようになります。規模ではなく、扱えるテーマの幅が変わります。
  • 毎週、内容とファシリテーションの方法を変えます。極端な場合、当日の朝のダイアローグで、その日の予定を丸ごと変更します。
  • 個別に会いに行きます。オフィスに伺い、場の空気を読み、会食を伴うダイアローグをします。泣きそうになる方も少なくありません。そのあと、場への姿勢が大きく変わります。

観察し続けることは、とにかく疲れます。
資料は数枚なのに、準備に莫大な時間を使う。楽しいのですが、非常に疲れます。

03

オンラインと対面を、使い分けますonline & onsite

  • 長期・週次の短時間トレーニングは、オンラインで成立します。参加者が全国に分散していても実施できます。実際に、遠隔地に分散したまま1年以上続けた例があります。
  • 対面でなければ得られないものが、はっきりしています。マテリアルを扱う。手を汚す。プレゼンテーションする。感情を共有する。これらはオンラインでは代替できません。だから四半期に一度、2〜3日の対面ワークショップや合宿を置きます。
  • ダイアローグとアプリシエイティブ・インクワイアリーのワークは、対面でじっくり。ここを画面越しで済ませると、成立しません。
  • そして、飲み会とランチミーティング。大宴会は予定しませんが、合宿のあとの忘年会はプログラムの一部です。関係性は、会議室の外でも進みます。

組織に居ながら、組織の外として活動する。
組織の中では出来ないことを、やりましょう。出島、です。

04

主催することも、補佐に回ることもありますmy role

  • 自分の枠組みで回す場合。設計から進行、問いの設定、内製化までを担います。一人でやることも、20年来のパートナーである経営情報学の博士と2名で組むこともあります。
  • 他者の枠組みに入る場合。大規模なブートキャンプでは、サービスデザインの専門会社とエンジニア教育の専門会社が主要部分を担い、私はその一部を受け持ちます。デザインスプリント本体の設計と進行は、その道の第一人者が担当します。
  • 担当区間の前後まで、およそ1ヶ月、フルタイムに近い形で関与します。プロダクトマネジメントの生々しい部分からデザインスプリントへのつなぎに関わるため、その後のデザインスプリントにも、なるべく参加します。ファシリテーター補佐のような役割です。初日のダイアローグのワークも担当します。
  • 結果として、これまでに40チーム以上、約100回のスプリントに関わってきました。

私が向き合うのは、その先にある
「生々しい、締め付けられるようなビジネスの現実」です。

05

御社にお願いすることyour side

  • 業務量の調整です。これだけは、私にはできません。トレーニングは、他の仕事の割り込みに、すぐ負けます。本当にばかげた話ですが、それが実態です。
  • 私は厳しいことを言います。他の仕事は持ち込まないでください、と。ただ、実際に量を調整できるのは、御社の側だけです。ここが崩れると、どんな設計をしても効きません。
  • 意思決定と、手を動かす作業。決めるのは意思決定者に、つくるのは現場のチームに委ねます。成果は、参加した方々のものです。
06

うまくいかなかったことwhat failed

  • 「コンテンツの質が低い」と言われたことがあります。あるブートキャンプの開催初期、受講者からの指摘でした。後半で体系的に立て直し、評価は覆りました。結果として、その立て直しの速さ自体が、受講者の評価対象になりました。骨格は妥当だった。弱かったのは、語彙とケースを先に固定していなかったことでした。
  • ビジネスアーキテクチャーを、正面から教えて失敗しました。卒業生向けにブループリントをそのまま教えたところ、思考が既存の枠に引きずられ、頭に入りませんでした。いまは、あえてそこから始めない迂回路を設計しています。
  • 提案から契約まで、4ヶ月空いたことがあります。4月開始のつもりが、実際の開始は9月でした。
  • 提案した3段階のうち、実施できたのは第1段階だけ、という案件もあります。中堅向け、若手向けへの展開は実現しませんでした。
07

なぜ、全部見せるのかwhy disclose

私が渡すのは、答えではなく、問いです。そして型を渡して、御社のチームが自分で回せるようにすること。手の内を隠したら、それができません。

使っている道具の多くは、私の発明ではありません。扱う手法の一覧は専門・アプローチにあります。世界のどこかで生まれた良い型に、日本語の名前をつけて、里帰りさせているだけです。出自も、原理も、失敗する理由も、隠す意味がない。受講者がワークショップリーダーになり、ファシリテーターになる。2、3年かけて、社内のリソースだけで回せるようにする。それが、私の考えるゴールです。

「人を育てる人を育てる」ことが、できています。

まず、御社の重心を、
一緒に見つけましょう。

人を育てたいのか、ものを出したいのか。どちらが強いかで、組み立ては変わります。初回のご相談は無料です。課題の輪郭が、まだ曖昧でも構いません。費用の目安は料金の目安に掲載しています。

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